成長期の腰痛は「体の硬さ」と「連動性」から考える
こんにちは。いそや接骨院の磯谷です。
当院には、部活動をがんばっている中学生・高校生が多く来院します。その中で最近特に増えているのが、腰痛の相談です。「成長痛だから」「若いからすぐ治る」と軽く考えられがちですが、成長期の腰痛には大人とは違う注意点があります。今回は、その原因と対策についてお話しします。
【成長期の体に起きていること】
成長期は、骨が一気に伸びる時期です。ところが、筋肉の成長は骨の伸びに追いつきません。骨だけが先に長くなり、筋肉は引っ張られて張りつめた状態になります。これを「タイトネス」といいます。体が硬くなるというより、骨の成長によって筋肉が常に引き伸ばされている状態です。
この時期にタイトネスが出やすいのは、次の筋肉です。
一つ目は、太ももの裏(ハムストリングス)。ここが硬いと骨盤が後ろに引っ張られ、前かがみの動きで腰に負担がかかります。
二つ目は、太ももの前(大腿四頭筋)。ここが硬いと骨盤が前に引っ張られ、腰が反りやすくなります。
三つ目は、股関節の前(腸腰筋)。背骨と脚の付け根をつなぐ筋肉で、硬くなると腰を前に引っ張り、反り腰の原因になります。
骨盤は、これらの筋肉に前後から引っ張られています。どこかが硬くなれば骨盤の動きが制限され、その分を腰が代わりに引き受けることになります。
【腰が「がんばりすぎる」体の使い方】
本来、体を反らす・ひねる・曲げるといった動きは、股関節、胸の背骨(胸椎)、腰の背骨(腰椎)が分担して行います。全身が連動して動くことで、一か所に負担が集中しないようになっています。
ところが、タイトネスで股関節の動きが悪くなったり、姿勢の崩れで胸椎が硬くなったりすると、その不足分を腰椎が補うようになります。ボールを投げる、ジャンプする、体をひねってシュートを打つ。そのたびに腰だけが大きく反り、大きくひねられる。この繰り返しが、成長期の腰痛につながります。
さらに、以前お伝えした足首の硬さも関係します。足首が硬いと、着地やしゃがむ動きで衝撃をうまく吸収できず、その負担は膝、股関節を通って最終的に腰へ伝わります。腰痛の原因は腰だけにあるのではなく、全身の連動が崩れた結果として腰に出ているのです。
【見逃してはいけない「腰椎分離症」】
成長期の腰痛で特に注意が必要なのが、腰椎分離症です。腰を反らす・ひねる動きを繰り返すことで、腰の骨の一部に疲労骨折が起きる状態で、スポーツをする中高生に多く見られます。
体を後ろに反らすと腰が痛む、片側の腰の同じ場所が痛む、2週間以上痛みが続いている。こうした場合は、早めに整形外科でMRIなどの検査を受けてください。分離症は初期に見つかれば、骨がくっつく可能性が高くなります。「そのうち治るだろう」と練習を続けることが、一番のリスクです。いそや接骨院でも、疑わしい場合は医療機関への受診をおすすめしています。
【成長期に大切なケア】
成長期のタイトネスは、骨が伸びている限り続きます。だからこそ、一度ストレッチをして終わりではなく、毎日のケアを習慣にすることが大切です。練習後やお風呂上がりの体が温まっているときに、太ももの前・裏、股関節の前を中心にストレッチを行ってください。反動をつけず、30秒かけてゆっくり伸ばすのがポイントです。
そしてもう一つ大切なのが、腰だけに頼らない体の使い方を身につけることです。股関節や胸椎がしっかり動き、体幹で体を支えられるようになれば、腰の負担は大きく減ります。
いそや接骨院では、成長期のお子さんの腰痛に対して、腰だけでなく全身のタイトネスと動きの連動を確認します。手技で硬くなった筋肉と関節を整え、運動療法で全身が連動した正しい動きをつくり、ご自宅で続けられるセルフケアをお伝えしています。
成長期の体は、正しくケアすれば大きく変わります。腰痛を我慢しながら練習を続けているお子さん、体が硬くて心配な保護者の方は、お気軽にご相談ください。痛みなく、思いきりスポーツを楽しめる体を一緒につくっていきましょう。
